政治に対する想い(2)《国境について》
日本は四方を海に囲まれて、陸上で隣国と国境を接することがないせいか国境に関する関心が薄いと思う。
最近、韓国との間で竹島問題が、中国との間で尖閣列島の問題がおきており、マスコミが大きく報道するせいか国民の関心が高くなった。

私はこのホームページ「百の質問・第30問」で答えたが、小学生の時に韓国との国境・李承晩ラインで日本の漁船が頻繁に韓国に拿捕されたり、銃撃を受けたりするテレビ報道を見て大きな疑問を持っていた。
なんで日本の海で(当時そのように報道されていたのか?)日本の漁船が拿捕されるのか。

いつの頃か、李承晩ラインなるものが昭和27年1月28日、日本が大東亜戦争での敗戦に続く日本国の復興半ばで国際的に非常に弱い時期に、当時の韓国大統領・李承晩が海の国境線を一方的に宣言し、日本の漁船に対して不当な行為をし続けたことを知った。
その目的は、表向きは海洋資源の保護であったが本当の狙いは竹島と対馬島の領有を主張するものであった。

このラインの廃止は朴大統領が登場し、韓国再建のため日本の経済援助を引き出すために昭和40年(1965年)に締結された日韓漁業協定が成立することによってやっと実現した。
その13年間で韓国による日本人抑留者は3,929人、拿捕された船舶328隻、死傷者44人を数えた。竹島はその時韓国に不法に占拠された状態が未だに続いているのである。 



先週(4月20日)、日本の海上保安庁が竹島を含む周辺の海洋調査をするために調査船を出航させようとして以来韓国が大騒ぎをしている。先日のテレビ放映で政治評論家の三宅久之氏が、占領された国が占領するなと騒ぐのは解るが、占領した国が騒ぐとは逆じゃないかと発言しているのを聞いて笑ってしまった。

日韓漁業協定締結以後、日本が国際社会で物を言えるようになってからも、事なかれ主義の日本の政治家がこの件に関して黙して語らず放置した責任は重い。 

また、尖閣列島問題は私が大学生活終わりの頃か、卒業後であったか忘れたが昭和50年前後に知人の大日本赤誠会会長笠原君他数名が尖閣列島・魚釣島に上陸した事を聞き、はじめて尖閣列島なる名前を知った。当時の私は、島の問題は北方領土しか頭になかった。
学生時代から北方領土返還運動に携わってきたが、その頃政府は北方領土に関しては黙して語らず、ソ連との魚業交渉のみを行っており、マスコミも無関心をよそおっていた。

笠原君達の行動で南にも領土問題があることをはじめて知ったが、マスコミ報道は全くなく、中国がこの問題で何らかの発言をしていた事は全く知らなかった。彼らが何のために魚釣島に上陸したのかさえ知らず、この時にはじめて、昭和43年(1968年)国連アジア極東経済委員会によって実施された東アジア海域の海洋調査によって、尖閣列島周辺の大陸棚に「中東に匹敵する」石油資源が埋蔵されているとの調査結果が翌昭和44年に発表され、それ以来中国が俄然この海域に注目して中国の領土であると言い始めたことを知ったのである。 


しかし、当時のことで今も記憶に残っているのは、この時に上陸したメンバーが上陸時に溺れかけた事と、水のない無人島で飯に困った話を聞いた事ぐらいである。
彼らの後で、右翼団体日本青年社の数名が何度か尖閣列島に上陸し、手製の灯台を建てた頃から週刊誌が取り上げ、海上保安庁がこの灯台にクレームをつけたことが記事になった。
中国がクレームをつけたのではなく、日本の海上保安庁がクレームをつけたのである。それ以来最近まで、海上保安庁は日本青年社の活動を邪魔し続けた。

日本は沖縄を中心とした南西空域の防衛に日本の主力戦闘機であるF15イーグルを配備せず、旧式のF4ファントム戦闘機を配備している。中国に気を使ってのことである。中国空軍にはF15イーグルに対抗できる戦闘機はない。ここにも、事なかれ主義の日本の政治家の態度が反映されている。

このような歴史的背景があるので、中国、韓国からみれば日本という国は強く出ればおとなしくなる国だという意識を持つのは当然である。
 海底ガス油田の存在で、今になってマスコミも大きく取り上げ、政治家もやっとまともなことを言う人が出てきたが、遅すぎる。
竹島も尖閣列島も無人島であるから国民の関心が薄かったのであろうが、排他的経済水域(EEZ)を考慮すると日本の領土は広い。このような事態を招いたのは日本の政治家であり、それを選んだ我々国民の責任である。

 今日の夕刊(平成18年4月24日)に「沖縄の米軍がグアムに移転する際にその費用の59%、60億9千ドル(約7千百億円)を日本が負担することを額賀防衛庁長官と米国のラムズフェルド国防長官との間で合意し、今後は国民の理解を求めるとの報道」があった。米軍が本国の基地を整備するのに何で日本がその費用を負担しなければならないのか。こんなことは初めてである。しかも、費用算出の根拠がまだ示されていない。

十数年前の湾岸戦争の際に費用負担を求められた日本が、米国から派遣された高官にいいように押し切られて90億ドル(当時のレートで約1兆3千5百億円)の費用負担を承諾し、本国に帰ったこの高官は「あまりにもあっさりと日本が要求を呑んだので、もっとふっかけてやればよかった」と語ったと石原東京都知事が書いていたが、今回もこの時と同じ事を言われているのではないかと危惧する。 

日本は戦後60年以上自国の防衛を米国に依存してきた。占領されていた事情があるにせよ、このままで良いのだろうか。近代国家が成立するには領土、国民、主権が必要であるのは常識であるが、日本においてはその常識は長く通用しなかった。
自らの意思と力で領土を守る意思のない民族が国家を持続できないことは歴史が証明している。

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